健康な毛髪とは?
毛髪は、その大部分がタンパク質からなり、残りが水分と脂質とその他(メラニン色素・微量元素等)になります。
タンパク質
髪の大部分はタンパク質で、その多くはケラチンタンパク質です。約18種類のアミノ酸からなり、特徴としてシスチンが多く含まれます。皮膚などと違い、髪はこのシスチンが絡み合った3次元構造となり、毛髪を強度が高く・ハリコシのあるものにします。
そのため、たんぱく質が減ると、髪はハリコシを無くし、弱いものになっていきます。
水分
髪は通常の乾燥した状態で、約12%程度の水分を含みます。髪の水分はタンパク質・CMC
脂質・NMF(天然保湿因子)で保持されるのですが、これらはダメージにより流出しやすく、そのため、髪はダメージを受けると乾燥していきます。
油分
毛髪内部やキューティクル層のCMC脂質(セラミド・コレステロール等)からなる脂と、皮脂腺から流れ髪や頭皮を保護する脂とがあります。これらが減ると、髪は乾燥しやすくなります。
毛髪の受けるダメージは数多くあるので、健康な髪という定義はないのですが美しい髪は、タンパク質・水分・油分のバランスが良く、しなやかで艶やかです。
髪のダメージとは?
毛髪は、皮膚などの怪我とは違い、一度傷つくと自然に治ることはありません。自然に治らないということは、ダメージを受けるたびにそのダメージが蓄積していく事でもあります。そのため、根元部に比べると年月を経た毛先の方がより傷んでいます。
カラーやパーマのみが髪を傷めると思われますが、同じ回数のカラーやパーマを施術しても、その後のダメージは人それぞれです。
毛質の違いもありますが、大きな違いは日頃のお手入れにあると思われます。
日頃のお手入れによるダメージ
髪の艶や手触りは、髪の一番外側にあるキューティクルの影響を強く受けます。キューティクルは物理的な刺激に弱く、日頃のお手入れで剥がれていきます。
ダメージが蓄積されると髪のダメージレベルは上がっていきます。
ブラッシング、シャンプー
- 泡立ちの悪いシャンプーやタオルドライ時に 髪同士をゴシゴシ擦り合わす。
- 髪は濡れていると柔らかくデリケートな状態ですが、その時に何度もブラッシングする。
これらは、髪のキューティクルが剥がれる原因になります。本来毛髪は、4~8枚程度のキューティクルが重なっています。
しかし、日頃のお手入れを怠ると、1枚、また1枚と剥がれ落ちてしまい最終的には、髪の内部を守るキューティクルがなくなりパサつき、切れ毛などになります。
ドライヤーやアイロン等の熱ダメージ
ドライヤーやアイロンによる熱のダメージもあります。毛髪はタンパク質でできているため、高い熱を加えると変性をおこします。
ドライヤーは髪に近づけすぎず、一定の距離をあけ、ヘアアイロンは温度を低めにし、髪をはさむ時間を短くすることでダメージを減らすことができます。
紫外線によるダメージ
皮膚は紫外線を浴びると日焼けをしますが、毛髪はアミノ酸が酸化されて別の物質に変化します。代表的な例として、シスチンが酸化されるとシステイン酸となり、髪のダメージにつながります。
また、長時間紫外線を浴びる事で水分量が減少し、パサつきやゴワつきになります。
そして紫外線を浴びることでキューティクル表面に存在する脂質(18MEA)の欠落や、キューティクルの浮き上がりによる手触りの悪化が起こります。
カラーやパーマ
パーマ剤では還元剤とアルカリ剤、カラーでは過酸化水素とアルカリ剤が髪にダメージを与える原因になります。
それぞれが、パーマとカラーをするためには必要なので配合されているのですが、その効果を出すためにキューティクルやコルテックスに剥離や栄養分の流出といったダメージを引き起こします。
髪のダメージレベル
ダメージLv.0
ダメージ原因:ダメージはありません。
見た目、手触り:艶・弾力が有り、滑らかに指が通ります。
ダメージLv.1
ダメージ原因:ブロー・ブラッシングや紫外線などの日常のダメージ
見た目、手触り:キューティクルが少しめくれ上がり、やや艶は悪くなり、少しゴワつきます。
ダメージLv.2
ダメージ原因:パーマやヘアカラーを1回使用
見た目、手触り:少し艶が悪くなり、CMCの流出などで乾燥によるゴワつきなどが起きはじめます。
ダメージLv.3
ダメージ原因:パーマやヘアカラーを連続して使用。
見た目、手触り:
ダメージLv.4
ダメージ原因:パーマやヘアカラーを連続して使用、さらに縮毛矯正を使用。
見た目、手触り:栄養分の流出に加え、キューティクルの剥離が進み全体的に艶がなくキシつき枝毛が増え、濡れた状態で引っ張ると毛が伸びます。
ダメージLv.5
ダメージ原因:パーマやヘアカラーを連続して使用、縮毛矯正、ブリーチを使用。
見た目、手触り:艶がなく、見た目にもパサつき、乾燥がひどく、枝毛・切れ毛が多く、濡れた状態で引っ張ると切れる毛が出てきます。